ARX CHALLENGERS BLOG技術者ブログ

2022/03/18

DX業務改善ツール解説!~業務改善を支える技術とおすすめツール10選~

目次

 1. はじめに
  1.1 ご挨拶
  1.2 はじめに
  1.3 ”DX”、"業務改善"って何?
 2. どんな"DX","業務改善"の事例があるの?
  2.1 "DX"(業務改善以外)の事例
   2.1.1 Netflix レンタル店で記録媒体を借りる時代から、オンラインですべてを賄う時代へ
   2.1.2 Nature Remo エアコンの電源は、外にいても操作できる時代になった
   2.1.3 オンラインゲーム マルチプレイの舞台は、友達の家やゲーセンだけではなくなった
  2.2 "業務改善"の事例
   2.2.1 リモートワーク 家から一歩も出なくたって、できる仕事がある
   2.2.2 楽楽精算 ペーパーレスで生まれる即レス エコロジーで作れエコノミー
   2.2.3 Zoom 遠くからでも、近づける
 3. "DX"、"業務改善"は、どんな技術で支えられている?
  3.1 ネットワーク コンピュータとコンピュータを繋ぐ糸。その集合体
   3.1.1 IPアドレス 汝の居場所を示せ
   3.1.2 暗号化通信 その鍵が贈り物を守る
  3.2 データベース データはここに集い、管理される
   3.2.1 一般的に知られるデータベースは、「リレーショナルデータベース」
   3.2.2 データを保管する"だけ"ではない。 制御することで真価を発揮する
   3.2.3 たとえデータが壊れたとて復活させられる。そう、データベースならね
 4. ”業務改善”のためには、どんなツールを使えばいい? おすすめツールを10個ご紹介
  4.1 VPN接続ツール
   4.1.1 Cisco Anyconnect
   4.1.2 OCNビジネスパックVPN
  4.2 コミュニケーションツール
   4.2.1 Microsoft Teams
   4.2.2 Zoom
   4.2.3 Slack
   4.2.4 NotePM
  4.3 勤怠管理ツール
   4.3.1 TimeBiz
   4.3.2 ジョブカン勤怠管理
  4.4 経費精算ツール
   4.4.1 楽楽精算
   4.4.2 ジョブカン経費精算
 5. おわりに

1. はじめに

• 1.1 ご挨拶

 初めまして。
 ARXChallengers 技術者ブログへようこそ。

 この度本ブログの執筆をいたします、株式会社アイレックス 技師の下村と申します。
 どうぞよろしくお願いいたします。
 ブログの執筆に関してはまだ至らぬ点も多いかと思いますが、お付き合いいただければ幸いです。

• 1.2 はじめに

 近年、"DX(デジタル トランスフォーメーション)"、"業務改善"などという言葉を耳にされる機会は多くなったかと思います。
 ざっくりいえば「デジタル技術で世の中を変えていくぞ!」という思想ですね。
 様々な会社がその規模の如何を問わず、この"DX"、"業務改善"に取り組んでいます。
 今回この"DX"、"業務改善"というテーマで事例、技術の詳細、ツールなどを書いていきたいという所存です。

• 1.3 ”DX”、"業務改善"って何?

 本記事以外にも多くの記事でその定義が説明されていますが、改めて本記事でもご説明いたします。
 まずは"DX"について、広義の意味合いから。
 昔々、偉い人が言いました。
 "ITの浸透が、人々の生活をあらゆる面でより良い方向に変化させる"
 出典:Information Technology and The Good Life(2004,Erik Stolterman Umea University,Sweden)
 https://www8.informatik.umu.se/~acroon/Publikationer%20Anna/Stolterman.pdf

 お手持ちのスマートフォンやPC、家電などが生活や仕事をどう変えているか。
 それを少し考えてみれば、上記の意味は身をもってご理解いただけると思います。

 次に狭義・・・
 ビジネスにおいては、次のように定義されています。
 "企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること。"
 出典:経済産業省 DXガイドライン
 https://warp.da.ndl.go.jp/collections/info:ndljp/pid/12166597/www.meti.go.jp/press/2018/12/20181212004/20181212004-1.pdf

 簡単な例を挙げると、
 「この仕事手作業でやると面倒だなあ・・・。よっしゃ、ツール作ってラクするぞ!」
 「へえ、最近はインターネットを通じて機械を高精度に操作できるようになったんだな。」
 「じゃあ、もしかして、クレーンゲームだってわざわざゲーセンに行かなくても遊べるようになるんじゃ?」
 「満員電車で出勤しんどい!コロナ怖い!家から出たくない!じゃあ家で仕事できるようにしよう!!」
 みたいな思想と、その思想に基づくアクションですね。

 本記事における"業務改善"というのは、上記のような思想とアクションのうち、特に会社の中で必要な手続に関わるものを指すと思ってください。

 例えば、「コンビニ店員の接客態度が店員によってマチマチだったので、対応マニュアルを用意して教育した」というのは広義の意味で業務改善ですが、"DXの思想に基づく業務改善"ではありません。
 図で言うと、次のような関係だと思ってください。

DX&業務改善

2. どんな"DX","業務改善"の事例があるの?

ここでは"DX"の事例と、"業務改善"の事例をご紹介します。
言葉の定義だけ聞いてもピンとこないという方は、具体的な例を見て考え方とかを参考にしていただければという次第です。
本記事における言葉の定義については、前項を参照ください。

• 2.1 "DX"(業務改善以外)の事例

 ➤2.1.1 Netflix レンタル店で記録媒体を借りる時代から、オンラインですべてを賄う時代へ

  オンライン動画配信サービスとして名を馳せるNetflix。
  少し前の時代、「映画/ドラマなどの動画を観る」ためには、ビデオテープやDVDといった記録媒体を購入したり、レンタルサービス店で借りたりする、というのが人々の"当たり前"でした。
  TSUTAYAやGEOなどでDVDを借りて、テレビで鑑賞したという経験をされた方もいるのではないでしょうか。
  レンタル日数を過ぎて払わされる延滞料が非常に高くて、時には「普通に買った方が安く済んだんじゃ…?」的な事態になったという話もありました。

  今のサービス形態になるまでには様々な変遷がありましたが、この辺りの詳細については割愛いたします。
  とにかく、"少し前の時代"は動画コンテンツのレンタル鑑賞のために以下のプロセスを踏む必要があったのです。
  1. レンタル店に行く
  2. レンタル店で対象の動画コンテンツの在庫・配置場所を探す
  3. レジで記録媒体の借用日数を決め、コンテンツと日数に基づいて決められた値段を支払う
  4. 記録媒体を借用し、レンタル店から帰る
  5. 動画コンテンツを鑑賞する
  6. レンタル店に行き、記録媒体を返却する
  (7. もしも記録媒体の返却期限が支払い時の予定より過ぎていた場合、超過日数に基づき延滞料を支払う)

  ところが"今"は、次のプロセスだけで動画をレンタル鑑賞することができるようになりました。
  ※ここではNetflixと書いていますが、他の動画サービスなどをご利用の方はそちらに読み替えてください。
  ※ちなみに筆者はAmazon Prime Video派です
  1. スマートフォン等の動画鑑賞対応デバイスでNetflixのWebサイトにログインする
  2. NetflixのWebサイトで対象の動画コンテンツを探す(在庫を探す必要はない)
  3. 動画を鑑賞する
  4. NetflixのWebサイトで動画コンテンツを返却する

  両者で起きた"変化"を言えば、
  「店への行き来が不要になった」
  「在庫の確認が不要になった」
  「延滞料が発生しなくなった」
  というものが挙げられます。
  この事から、「デジタル技術の活用によって世の中が変わった」という"DX"の如実な例といえるのではないでしょうか。

 ➤2.1.2 Nature Remo エアコンの電源は、外にいても操作できる時代になった

  スマートリモコン、というシロモノが登場したのは結構記憶に新しいかと思います。
  家にある家電の情報を登録し、その家電をスマートフォンでコントロールできるようにするアイテム。
  ご家庭によってそれぞれ使い方は違うと思いますが、「エアコンを外でもコントロールできるようになった」
  というのは個人的に「すごい便利になったな!」と感じたところです。

  何せこいつの導入によって、導入前と比べて
  「外出の際、電源を消し忘れても外にいながら消せるようになった」
  「リモコンが即座に見つからなくても代替手段を用意できるようになった」
  「帰宅前に照明やエアコンの電源を入れることで、節約しながら明るく快適な部屋へ帰れるようになった」
  というイノベーションが起きたのです。
  立派な"DX"ですよ。

 ➤2.1.3 オンラインゲーム マルチプレイの舞台は、友達の家やゲーセンだけではなくなった

  二人以上の人間がゲームをする。
  インターネットがなかった時代、もしくは実用に堪えないほど遅かった時代にこれを実現するためには、遊ぶ人間が同じ場所に集まらなければなりませんでした。

  ある人は友達の家で。
  ゲームカセットをたくさん持っている少年がたくさんの同級生を家に招き。
  海苔の缶いっぱいに詰められたカセットを見せては持て囃され。
  あれやりたいこれやりたいとそれぞれがつつき合い。
  時にはクラッシュバンディクーを死ぬたびに交代しつつ、攻略本で隠しステージを調べながら協力プレイ。
  時には星のカービィスーパーデラックスで一緒に格闘王にチャレンジ。
  時には桃鉄を選んでCOM豆鬼1体を全員でリンチ。
  時にはボンバーマンを選んで理不尽な負けからのリアルファイト。

  ある人はゲームセンターで。
  背中合わせの筐体で向かい合いながら。
  あるいは一つの筐体で横に並びながら。
  俺より強いやつに会いに行くと意気込んで、握りしめた100円で挑んだストリートファイターⅡ。
  待ちガイルのハメ戦法で大喧嘩が勃発し、やがて表でストリートファイト。

  話が脱線してしまった上に喧嘩エピソードばっかりで申し訳ないのですが、
  とにかく誰かと一緒にゲームで遊ぶためには、同じ場所に集まるしかない。そういう選択肢しかなかったのです。

  それが年月を経て、「家にいながらそこにはいない友達と、あるいは誰かとゲームをする」という新たな選択肢が。
  「ゲームセンターや友達の家、自分の家とも違う特別じゃない場所で誰かとゲームをする」という更なる選択肢が現れたのです。
  Nintendo Switchをドックにつないでスプラトゥーンを遊ぶ少年も、公園を練り歩きながらiPhoneを持ってポケモンGOの画面に食い入る大学生も、帰りの電車でスマートフォンでウマ娘プリティーダービーのガチャと育成に勤しむミドルも、何ら珍しい存在ではなくなりました。
  これも"DX"ですね。

• 2.2 "業務改善"の事例

 ➤2.2.1 リモートワーク 家から一歩も出なくたって、できる仕事がある

  もはや今の時代、誰もが耳にする"業務改善"の典型事例かと思います。

  デスクワークで可能な仕事の数多くは、やろうと思えば成せるものですね。
  公共交通機関や宿泊施設、役所や病院などの職種は実現不可能もしくは極めて困難なケースが多いです。
  環境や職場によってはインフラやセキュリティが整っていないという技術的な問題があったり、リモートワークの方がコストがかかるという経営的な問題があったり、社風やら伝統やらを重んじる文化があったりして、リモートワークという手段を追加できないところも数多くあるとは思いますが。。。

  「出勤の時間を割かなくてよい」
  「会社で会議室などをわざわざ借りる必要がない」
  「オフィスの家賃を削減できる可能性がある」
  「顔を合わせなくても成果を出せる」

  といった恩恵を得られるのが、”DX”と言うべき改革ですね。

 ➤2.2.2 楽楽精算 ペーパーレスで生まれる即レス エコロジーで作れエコノミー

  通勤費や交通費、出張旅費やら接待費やら、諸経費の報告・精算書提出は会社には欠かせません。
  紙での提出という手段が消えてなくなることはありませんが、それでも紙を使わずに精算の報告を行えるのは重要です。
  そんなペーパーレスでの精算報告を行えるようにするのが、"楽楽精算"です。

  DXの思想に基づいて考えると、楽楽精算の導入は、
  「報告のための用紙コストの削減」
  「不備があった場合に書類の再印刷などをしなくてよい」
  「紙の受け渡しのために社員が事業所を移動したり、郵送したりしなくてよい
   →即座に経理担当に届けられる」
  「差戻しや承認なども電子メールで即座に該当社員に報告できる」

  といった改革をもたらしてくれる"業務改善"になります。

 ➤2.2.3 Zoom 遠くからでも、近づける

  リモートワークの一環だったりもしますが、これもDXの思想に基づく"業務改善"です。
  会議をオンラインで行えるようになったという革命は、

  「移動の時間・手間・費用の削減」
  「オフィス・会議室の管理低減」

  というメリットを与えてくれます。
  出張が楽しみだったりする人にとっては、少し寂しい「革命」かもしれませんが…

3. "DX"、"業務改善"は、どんな技術で支えられている?

ここからは"DX","業務改善"に使われている技術について、軽くお話ししていきます。
無論「技術」を細かく分類していくと凄まじい切り分けが必要になるため、その全てを説明するのは大変です。。
ということで今回は主役となる「ネットワーク」と「データベース」について、ざっくりとお話していきます。

• 3.1 ネットワーク コンピュータとコンピュータを繋ぐ糸。その集合体

 コンピュータの世界におけるネットワークは、糸電話の糸だと思ってください。
 …と、これだけ言われてもさっぱりですね。

 ひとまず、下の図で言うところの赤枠で囲った線がネットワークと呼ばれるエリアです。
 PC_A、PC_Bの2台のコンピュータがあったとして、この2台のコンピュータの間でデータをやり取りするために必要な手続きをする場所です。
 オンライン通販で考えると、店とお客さんとの中間で商品を運ぶ宅配便屋さんですね。

 ➤3.1.1 IPアドレス 汝の居場所を示せ

  上図の例だと、PC_AとPC_Bの2台しかないので、データのやり取りは比較的簡単です。
  しかし、実際のインターネットは2台のコンピュータしかつながっていないわけではありません。
  100、1000という規模ではなく、それこそ何十億というコンピュータが世界でつながっています。

  その何十億と繋がっている場所から、特定の相手だけにデータを送るとします。
  データは何でも構いませんが、
  たとえば観たかったあの映画。
  たとえば好きなあの人へのLINEメッセージ。
  たとえばスマブラの参戦キャラ。
  たとえば会社の経営を左右する重要書類。

  色々ありますが、当然どんなデータだろうと届けたい人に正しく届けなければいけません。
  宅配便屋さんが荷物の届け先を間違えたなんてことがあれば大問題ですね。

  では、どうすれば特定の相手だけに正しく送れるでしょうか?

  答えは「居場所を決める」です。
  先のオンライン通販で言えば、荷物を預かるお店の住所、荷物を届けるお客さんの住所を割り当てます。
  その割り当てられた住所は、ネットワークの世界ではIPアドレス(Internet Protocol Address)と呼びます。

  プロトコル(Protocol)とは規格とか手続きって意味です。
  インターネット(Internet)通信の手続き(Protocol)に使う住所(Address)なのでIPアドレスという言葉になります。
  このIPアドレスに基づいて、AからBへ送るためのデータをインターネットに送り出します。

  ちなみにこの「データ」には、「AのIPアドレス」「BのIPアドレス」「実際に相手に送りたいデータ」が入っています。
  ハガキに自分の住所、相手の住所、メッセージをすべて書いて郵便ポストに入れるのと同じような仕組みですね。
  こういう「相手に送りたいデータを送るために必要な情報一式」は、ネットワークの世界では「IPパケット」と呼んでいます。
  ※厳密にはもっといろんな情報がIPパケットには詰まっており、実際に送りたいデータ以外の部分を「IPヘッダ」と読んでいますが、詳細は割愛します。
  とりあえず、IPパケットには住所と本文が書かれてるんだなと思ってください。

  そしてインターネットはAからのデータを受け取った後、そのデータに書かれたBのIPアドレスをもとに「お届け物でーす」と届けるわけです。

 ➤3.1.2 暗号化通信 その鍵が贈り物を守る

  さて、AからBにデータを運ぶという流れについては、なんとなーくご理解いただけたかと思います。
  しかし、この一連の流れを見て、「あれ?」と思うところがありませんか?

  そのデータ、盗まれない?
  はい、これの答えは「Yes」です。
  インターネットには何十億という数のコンピュータが繋がっています。
  そしていったんそういう「公共の場所」に出てしまえば、盗まれる可能性は当然あります。

  好きなあの人に「好きです」と伝える。
  そんなメッセージが盗み聞きされていたら当然怖いですね。
  これから金銀財宝のありかを教える。
  そんなメッセージが盗み聞きされていたら財宝は誰かの手にわたってしまいます。

  じゃあどうする?
  データを守りましょう。
  守る手段は、「暗号化」です。

  データを盗聴されないようにする工夫自体は一応あるにはあります。
  ただし、その工夫だけで100%守り切るのは無理があります。
  なので、「盗まれたとしてもそれだけでは何が書いてあるのかわからない。解読も困難」という暗号文を作り、届け先で解読できるように工夫をするわけです。
  現代のインターネット通信においては「RSA暗号」と呼ばれるものが使われていますが、詳細は割愛します。
  理論も結構難しいですし、実際に解読しようとなると困難を極めます。
  でも面白いので、気になる方はぜひ調べてみてください。

  …他にもたくさんあるのですが、ひとまずネットワークについてはここまでとします。

• 3.2 データベース データはここに集い、管理される

 コンピュータにおけるデータベースは、図書館とでも言うべき存在でしょうか。
 簡単に言ってしまえば「データを保管する場所」。

 規模を問わず何かしら体系立てられたモノの集合体をシステムを呼びますが、システムを動かすには必ずと言っていいほど「データ」が存在します。

 たとえば学校を舞台に考えると、どんなデータが挙げられるでしょう?
 学生の名簿
 教職員の名簿
 教科のリスト
 教科に対応する講師の一覧
 時間割
 成績表
 など・・・
 掘り下げればまだあると思いますが、学校を運営するためには上記に挙げたような莫大な「データ」が必要です。
 そして、このデータは正しく管理されなくてはなりません。

 それを管理する場所が「データベース」です。
 上の台帳のすべてが、巨大なキャビネットに保管されているとイメージしてください。

 ➤3.2.1 一般的に知られるデータベースは、「リレーショナルデータベース」

  データベースはデータを保管するところです。
  …と、一口にそう言っても、データの保管の仕方は様々です。

  家系図のような形でデータを管理する「階層型」、網のように複雑な構成で管理される「ネットワーク型」。
  二次元の表で構成される「リレーショナル型」など。

  そのうち、コンピュータの世界で一般的に利用されるのは「リレーショナル型」です。
  Excelを触ったことがある方ならイメージができると思いますが、データを「行」と「列」の二次元で表現します。
  たとえば学生名簿の場合、
  「列」には学生番号、氏、名、生年月日、性別、住所といった情報を用意します。
  「行」には生徒ひとりひとりの情報を、下図のように記録していきます。
  ちなみにこのような表は、データベースの世界では「テーブル」と言います。

学生番号生年月日性別住所
112233山田太郎2007/2/19東京都港区〇〇…
445566田中花子2006/8/14東京都中央区〇〇…


  このように必要な情報に沿ってデータ作成することで、様々な状況や運営方針に合わせた形で管理することができます。
  以降、特別な記述のない限り、データベースは「リレーショナル型のデータベース」を指します。

 ➤3.2.2 データを保管する"だけ"ではない。 制御することで真価を発揮する

  先にも述べた通り、データベースはデータを保管する場所です。
  ただし、データは活用してこそ意味があり、活用できなければ宝の持ち腐れになってしまいます。
  言葉の宝庫とも呼べる国語辞典とて、開かれなければその価値を発揮できません。

  さて、データを活用する、とは言うものの、どんな活用方法があるでしょう?
  一つには、ごく単純に一つのテーブルに登録されている情報をそのまんま引きずりだすこと。
  もう一つには、データを用途に応じて加工し、「意味を持ったデータを作ること」があります。
  例えば、購買の販売記録について、次のようなテーブルがあったとします。

<商品マスタ>
商品コード商品名称カテゴリコード単価
A01001あんぱんA001100
A01010カツサンドA001210
B02012B001110
S03001ボールペンS001450

<商品カテゴリマスタ>
商品コード商品名称 
A001食品 
B001飲料 
S001文房具 

<販売マスタ>
販売管理番号販売日時販売担当者コード支払区分リボ区分分割区分
2022032509a2022/3/25 10:2820110804009現金なし0
2022032509b2022/3/25 10:3020110804009現金なし0
2022032509c2022/3/25 10:3120110804009クレジットカードなし1
2022032509d2022/3/25 10:3520110804009クレジットカードあり0

<販売明細マスタ>
販売管理番号販売連番商品コード販売個数
2022032509a001A010011
2022032509a002A010102
2022032509b001B020121
2022032509s001S030011

<販売担当者名簿マスタ>
販売担当者コード担当者(姓)担当者(名)生年月日入社日
20110804009販売太郎1989/5/222011/4/11035


  上記5つのテーブルは、それぞれが個別に意味を持っています。
  ただ、テーブルに存在するデータ単体ではどうにもパッとしないですね。
  しかし、それぞれのテーブルの情報をつなぎ合わせてみると、次のような「レシート」が出来上がります。

<レシート>
販売管理番号:2022032509a  
販売担当者:販売 太郎  
購入日時:2022/3/25 10:28  
============================================
A01001:あんぱん×1100
B02012:×1110
    
合計:  210
============================================
支払方法:現金  


  詳細は色々あるのですが、ここでは「SQL」と呼ばれるものを使ってデータを繋ぎ合わせる程度に考えてください。
  手続きを経てデータを加工すると「より意味のあるデータ」が出来上がります。

  上記は単に組み立てるだけですが、他にもテーブルを組み合わせて新しい見解を見つけたり、データの統計を取って販売戦略やらに役立てたりといった使い方もあります。
  データの使い方は様々あって、データベースはそのためのいろんなサポートを担ってくれるわけですね。

 ➤3.2.3 たとえデータが壊れたとて復活させられる。そう、データベースならね

  そんな便利で、とても大事な情報を管理しているデータベース。
  システムを動かすために、絶対に欠かしてはならないもの。

  しかし、何処まで行ってもこれは「電子データ」です。
  変な操作をしてしまってデータが破損して読み取れなくなってしまったり、データを保存する記録媒体(ハードディスクなど)が壊れてしまったりすれば、データベースそのものが使えなくなってしまいます。

  そうなってしまったら、さあ大変!
  システムはもう今まで通りには動かせませんね。

  そういうことにならないよう、データベースは復旧させられるようになっています。
  ざっくりいうとデータベースの復旧のためには「バックアップ」と「ログ」を用意しておきます。
  この情報に基づいてデータを可能な限り元に戻す処置を行う必要があります。
  この時に行う処置は「リストア」「ロールバック」「ロールフォワード」などと呼ばれます。

  そして壊れたデータを元に戻し、システムを動かせる状態にするわけです。
  このあたり、(ちゃんと運用に気を配ればの話ですが)紙媒体よりも復旧が簡単に出来ると個人的には思います。
  紙媒体だと書類が破れたり燃えたりしてしまったら、それはそれは復旧は困難を極めますので…。

  ちなみに「バックアップ」や「ログ」の"保管場所"は、そのリスクやコストに応じて適切な場所が変わります。
  記録媒体そのものに問題はないけど、データベースが破損するというケースなら同一記録媒体内に。
  記録媒体そのものが劣化や物理的な衝撃で壊れてしまうケースなら別の記録媒体に。
  この「壊れる」状況が地震などの大規模災害で一つ屋根の下に固めていたら全部破損になるというケースであれば、"別の記録媒体"は遠くの拠点に。
  そんな風に記録媒体を保管しておくことで、破損から復旧できるようにするわけです。
  対応できるリスクの規模に応じてコストも変わるので、どう保管するのがいいのか?は慎重な検討が必要です。

4. ”業務改善”のためには、どんなツールを使えばいい? おすすめツールを10個ご紹介

前章で長々とお勉強に付き合っていただいた方、ありがとうございます。
飛ばしてこちらに来られた方は……、是非ツールの名前とかだけでも覚えていただければと
(余裕があれば、また覗きに来てください)。

ここからは実際にDXの思想に基づく"業務改善"のツールをご紹介していきます。
※一部前章の事例とかぶるところもあります

現時点では、リモートワークに関連するツールを以下の4カテゴリに絞ってご紹介していきます。
 ・VPN接続ツール
 ・コミュニケーションツール
 ・勤怠管理ツール
 ・経費精算ツール

• 4.1 VPN接続ツール

 リモートで仕事をする以上、外部に漏れてはいけない秘密が必ずあります。
 その秘密が部外者に漏れてしまうなどということは…!
 断じて!!
 許されません!!!

 そこで可能な限り秘密が漏れないよう、「外から介入できない」環境を作らなければなりません。
 そんな環境をインターネット上で仮想的に作る。
 ということで作られたのがVPN(Virtual Private Network)です。

 "仮想的に"作るってどうやるの?という話ですが、これは先のネットワーク技術の記載でお話しさせていただきました
 「通信の暗号化」に関連するものが使われていると思ってください。
 参考:https://www.jbsvc.co.jp/useful/security/vpn-connection.html

 ➤4.1.1 Cisco Anyconnect

  VPN接続ツールの一つで、「効率性」「可視性」「自動化」がその強みである、というのがアピールポイント。
  クライアント(実際にリモートで仕事する個々人)が利用するツールです。
  筆者の知る限りでも、こちらのツールを導入してリモートワークを実施している職場は多々ありました。
  セットアップに少し手間が必要ですが、そこが出来てしまえばあとはサービスにサインインするような手軽さでVPN接続を確保できます。
  詳細については、以下の公式HP(ホームページ)を参照してください。
  参考:https://www.cisco.com/c/ja_jp/products/security/anyconnect-secure-mobility-client/index.html

 ➤4.1.2 OCNビジネスパックVPN

  NTTコミュニケーションズより提供されている、法人向けVPN接続サービス。
  こちらはサーバ(リモートで仕事をする環境を提供する会社側)向けのものですね。
  回線・機器・機器設置・運用保守などを一括で提供してくれます。
  リモートワークのためにVPN環境用意したいけど、デジタル機器のことさっぱり分からないという会社向けでしょうか。
  参考:https://www.ntt.com/business/services/network/internet-connect/ocn-business/vpn/biz.html

• 4.2 コミュニケーションツール

 リモートワークにおいては遠隔でのコミュニケーションは必須です。
 今や遠隔でのコミュニケーションなど出来て当たり前の時代でこそありますが、ツールの力を借りることでコミュニケーションの幅は大きく広がります。

 ➤4.2.1 Microsoft Teams

  "会議、チャット、通話、共同作業をすべて1か所で。"
  出典:Microsoft Teams 公式HP

  言わずと知れたMicrosoft Officeのチャット・会議ツール。
  WordやExcel、PowerPointの親戚だと言えば、なんとなくピンとくるでしょうか?

  Microsoft Officeのシリーズということで、会議の際にOutlookと連携が取れるのは結構便利。
  会議の予定を手作業で管理しなくても、ツールが自動でやってくれますからね。
  参考:https://www.microsoft.com/ja-jp/microsoft-teams/group-chat-software

 ➤4.2.2 Zoom

  チャット・会議ツールの一つ。
  先の事例の章でご紹介いたしましたね。
  改めてではありますが、リモートワークの時代が来てから誰もが一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。

  こちらもOutlook等他ツールと連携できたり、セッティングの自由度が高かったりと非常に柔軟。

  筆者が個人的に助かると感じたのは、「ミーティングIDとパスコードがシンプル」という点でしょうか。
  (筆者が存じ上げないだけかもしれませんが)例えばTeamsの場合だと、会議へのゲスト参加にはURLが必要になります。
  URLが展開されていない(展開できない)端末でゲスト参加しようとするとかなり複雑な文字列を入力しないといけないんですよね…。
  Zoomだと電話番号を入力するような気軽さで別端末から入れるので、結構重宝するのです。
  今の時代、電話番号入力は気軽じゃない? そんな…
  参考:https://explore.zoom.us/ja/products/meetings/

 ➤4.2.3 Slack

  チャット・会議ツールの代表格として名が挙がるものは、やはり様々な「使いやすい」工夫が凝らされています。
  Slackもそういった「使いやすい」ツールの一つですね。

  細かい条件(人・チャンネル・発言・ファイルなど)で検索できるところは、仕事を素早く進める上で非常に便利かつ重要です。
  時短術、大事です。
  参考:https://slack.com/intl/ja-jp/

 ➤4.2.4 NotePM

  "個人のノウハウを引き出す 社内wikiでナレッジ共有"
  出典:NotePM 公式HP

  仕事がうまく回らない要因の一つにコミュニケーション不足が挙げられるというのはよく聞く話ですが、さらに細かく区切ってみると「ノウハウ共有が出来ていない」という事例も数多く見られます。
  "仕事が属人化している"というものの典型例ですね。

  「プログラムの文頭文末の定型文を同時に書いておく(たとえばIf と End Ifを一度に書いておく)ことで構文エラーの発生率を下げる」
  「四角形のテーブルを水拭きする際は円を描くように拭くのではなく、"己"の字を書くように拭くことで端の拭き漏れを防ぐ」
  「挽肉を冷凍する際は使用量を調整しやすくするため、フリーザーバッグに入れて平らに均した後、菜箸で"田"の字を作ってから冷凍する」
  みたいな「ちょっと気を付ければ誰でもマネできる」事柄であっても、それを一人だけが知っていると全員が知っているとでは、
  チーム全体の品質や生産力に大きな違いが生まれるのではないでしょうか。
  ※もちろん、ノウハウの「種類」や「開示範囲」には気を付けなければなりませんが…

  そういうノウハウを共有するのに適したツールがNotePMです。
  参考:https://notepm.jp/

• 4.3 勤怠管理ツール

 会社に出勤してタイムカードを切る、という勤怠管理の仕方はリモートワークでは適切とは言えません。
 オンラインで勤怠を管理するツールがたくさん出てきています。
 その一例をご紹介します。

 ➤4.3.1 TimeBiz

  スマートフォンにて、以下の対応をする際に便利な機能満載ツールです。

  ・出退勤打刻
  ・打刻時の位置情報記録
  ・法改正対応
  ・勤務予定入力対応
   など

  超過時間が36協定内に収まっているか、どんな勤務予定になっているかなど勤怠情報を管理するのに役立つツールです。
  参考:https://www.timebiz.jp/

 ➤4.3.2 ジョブカン勤怠管理

  ICカード打刻、LINE打刻、GPS情報による打刻など幅広い打刻形式に対応しているという勤怠管理システム。

  こちらも働き方改革をはじめとする法改正に対応しているシステムです。
  これからの様々な働き方に寄り添ってくれることでしょう。
  参考:https://jobcan.ne.jp/

• 4.4 経費精算ツール

 経費はリモートワークしていても、経費が発生するケースはあります。
 書類の提出も紙で郵送してチェックしてもらうなんてやり方では、間に合うものも間に合いません。
 経費精算にかかる諸々の手続、連絡等は、一つのツールで収められてしまえばぐっと楽になりますね。

 ➤4.4.1 楽楽精算

  事例紹介の章でもご紹介した楽楽精算。
  ペーパーレスでの事務処理ができることはもちろん、承認ルートを自動設定してくれて進捗も表示されます。
  誰が承認しなければならないか、どこで止まっているかなどが一目瞭然になります。
  こういう「ステータスの透明化」は、仕事を円滑に進める上でとても大事ですね。

  他にもICカード読取で交通費を自動入力や経路検索で交通費を自動入力出来たり、申請ミスがあっても差戻し・再申請が円滑に行えたりと、速度・精度ともに向上する機能が豊富です。
  参考:https://www.rakurakuseisan.jp/

 ➤4.4.2 ジョブカン経費精算

  またジョブカンが出てきた?
  いいもんなんだから仕方ない

  「ペーパーレス化」「承認ルート・進捗状況の透明化」「事務処理の速度・精度向上」はもちろんのこと、会計ソフトとの連動(厳密には連動に必要なファイルの出力)にも対応しています。
  会計ソフトを跨いでの経費管理も楽に行えます。
  参考:https://ex.jobcan.ne.jp/

5. おわりに

さて、今回は"DX","業務改善"というテーマで、ここまでいろいろとお話をいたしました。
事例だったりツールだったり、ちょっと裏側の技術の話だったり。

ARXChallengers 技術者ブログ としては、このような形ではありますが、
皆様の仕事を円滑に。
仕事の円滑化によって、ワークライフバランスの安定化への貢献に。
ひいては仕事とプライベート両方の充実度向上に。
そして社会全体の満足度・豊かさの向上に、微力ながらお力添えできればと願う次第であります。

今後も私を含め、会社を挙げて記事を上げていく予定ですので、もしよろしければ他記事にも足をお運びください。

それでは長くなってしまいましたが、今回はこの辺りで筆を擱かせていただきます。
最後までお付き合いいただき、ありがとうございました!

下村

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