ARX CHALLENGERS BLOG技術者ブログ
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2022/05/20
皆さんこんにちは。ARX Challengersのmaikoです。
私は、前まで金融系のシステム開発を担当していました。
現在は手順書に沿って端末を構築し、構築された端末が正しく動作するかテストをするという工程を担当しています。
手順書は私が作成しました。
今回は手順書を作成するうえで、学んだ事、気づいたことをまとめましたので、皆さんに公表したいと思います。
初めて手順書作成担当になり、作成できるか不安…作業ミスをしてしまう…という方の助けになればいいな、と思います。
世の中には「手順書」と「マニュアル」という物があります。
どちらも似たような物ですが、実はちょっと意味が違うのをご存じでしょうか?
先ずはその違いからお話ししたいと思います。
手順に記載してある内容通りに行えば、未経験者でも経験者でも誰でもミスなく正確に作業をすることができるもの。
いわば、“レシピブック”みたいなものです。
手順書は誰でも同じ結果となる事が目的ですが、マニュアルは作業者の高品質な成果を出すことや、業務課題を達成できる事を目的とします。
今回は手順書について書いていきます。
“手順書”があるだけで、“全員”が作業を行うことができようになります。
“1人だけ”ができるより、“全員”ができた方が、作業が効率的に円滑に進みますよね。
手順書がない状態で全員でやると、それぞれのやり方が発生してしまい、ミスなどが増えることがあります。
ですが、手順書があるとやり方が決まっているため十人十色のやり方が発生せず、かつ、作業をミスなく行うことができます。
今回はイメージがしやすいように、身近なものにも例えながらも記載していきます。
手順書を作成する際のポイントも【POINT】にて記載します。
構成を考えるときに1番大切なことは「誰向けの手順書なのか?」です。
例えば運用手順書を作成する場合、作業者の状態として「パソコンや作業自体、全て未経験者なのか?」「パソコンスキルが高い未経験者なのか?」
それとも「作業自体を経験しており、具体的な作業手順だけ知らないのか?」など様々なシチュエーションがあります。
これらの中で「誰向け」を意識する事が大事です。
身近なものに例えると・・・
カレーライスを作るレシピ(手順書)を作りたいと思います。
作る人が「料理をしたことがない人」なのか?また、「普段から料理はしているがカレーを作ったことがない人」や「カレーを作った事はあるが、今回オーダーされているカレーの作り方は知らない」など、誰向けのカレーライスを作る手順書なのかを意識します。
誰向け(どのくらいのレベルの技術者)の“手順書”なのか想定して作成する事が重要!
対象者を絞ることができたら、次は“手順書”に記載する中身を用意します。
その時々で用意しなければならないものは異なりますが、例えば使用するソフトの情報や機材、ツールの情報など手順書に記載したい内容を用意します。
身近なものに例えると・・・
子供向けの甘口、日本風のカレーライスを作るために、じゃがいもやにんじん、たまねぎやリンゴなどを入れますが、写真があると分かりやすく見栄えも良いので「野菜の写真を用意する」などや、「調理器具の使用方法などの情報を用意する」です。
「見やすい」「理解しやすい」を意識した作りがポイントです。ソフトや機材の使い方を理解するため、画像などを用いて解説するのも有効です。
手順を書く!
重要なこととしては、以下の6点があります。
長い文章だと、読み手によっては作成者が意図した内容とは別の捉え違いが発生してしまうこともあります。
捉え違いが発生してしまったことで、結果ミスにつながる恐れもあります。
できるだけ簡潔に書くことを意識しましょう。
文章だけよりも、図や画像があった方が読み手によっては伝わりやすいことが多いです。
また、図や画像をただ入れるだけではなく、クリックする箇所や作業者が操作する箇所に赤色の丸印などの印を入れてあげるほうが分かりやすいかと思います。
読み手側は『赤枠の箇所をクリックしたらいいんだな』とより具体的にイメージを持ち作業を実施することができるようになります。
図や画像を挿入するときの注意点としては、記載している文章と挿入している図や画像は一致している必要があります。
手順書に記載してある文章は読まず、挿入している図や画像だけ見て作業する人も多いです。
そのため、文章と図や画像が違う場合、画像だけみて作業をするとミスをしてしまいます。
図や画像の箇所に赤枠だけでも問題はないですが、吹き出しなどで「クリックする」などと記載してあげると、より丁寧な手順書に仕上がります。
例えば、“IE”と記載するより、正式名称である“Internet Explorer”と記載してあげる方が読み手には伝わるため、略称は控えるようにしましょう。
ただ、ずっと“Internet Explorer”と記載するの文章が長くなり読みづらくなってしまうかも知れません。
「“Internet Explorer”(以下 “IE”)」というような書き方をする工夫も良いと思います。
難しい言葉を使うと、格好いいが、読み手からするとよみづらく、伝えたいことも伝わりません。
また、難しい文章になってしまうことで、捉え方に差異が発生してしまったりします。
その結果、ミスにつながる恐れもあります。誰にでも分かるような言葉を使う事を意識しましょう。
誤解を与えるような内容を記載してしまうことで、作成者が伝えたい内容が伝わらず、読み手側が読み手それぞれの捉え方をしてしまうこともあります。
これは、読み手によって、意味の捉え方が変わってしまうような言い回しを使用する事が原因だと思われます。
こういった言い回しは避け、誰にとっても同じ意味で捉えられるような、内容、書き方を意識します。
手順を記載するときは、
“これぐらいはわかるでしょ”という思いを捨て、事細かに内容を記載しましょう。
例えば、『エクスプローラーを開く』と記載するより、以下のように記載してあげる方が読み手はわかりやすくなります。
記載例)
1.『スタートボタン』を右クリックする
2.メニューの中から『エクスプローラー(E)』を選択する
読んだ人が全員同じことをするように、わかりやすい文章を記載するように心がけるようにしましょう。
もうひと手間をかける努力を惜しまないようにしましょう!
作成した手順書に誤字脱字が無いかや読み手にとってわかりやすい文章になっているかを確認しましょう。
そして、手順書の内容を実践してみましょう。
第三者にお願いすることが理想ですが、お願いできない場合は自分で確認する必要があります。
お願いする事ができる場合は【頼める人がいる場合】を、いない場合は【頼める人がいない場合】の内容を実施すると良いでしょう。
・文言は統一されているか
文中で使用する文言や言葉は統一されていること。
・誤字、脱字は無いか
例えば、『Internet Explorer 』が『Intrnet Explore 』となっていたりしないかなど。
・なるべく作成者のクセが出ないような文章にする
手順書を1人で作成する時はこの確認は必要ありませんが、場合により、複数人で手順書を作成する場合はこの確認が必要です。
複数人がそれぞれの文章や内容を記載していると、読み手側からしたら統一されていないように感じてしまいます。
そのため、複数人で作成していても複数人で作成していないように見せる必要があります。
なのでなるべくクセがないように作成する必要があります。
・手順書を作成していない人に手順を読んでもらったり、作業を実際に実施してもらう
作成者が読み返しても、イメージができているため問題ないと思ってしまいます。
ですが、手順書を作成していない人が実際に読むことで“違和感がある”や“よくわからない”箇所を発見することができます。
その結果、誤解を招く記載を修正することができるため、ミスを減らせることができます。
・未経験者になりきる
経験や勘に頼らず、手順書通りに作業通りに作業することが重要。
文章を一字一句確認し、誤字脱字のチェックをおこなうと共に手順があっているかを確認する。
身近なものに例えると・・・
手順書通りに料理し、甘口カレーを作る。
レシピ通りに作成し、甘口である事を確認する。
作成だけにとどまらず、実際に試す(実践する)ことが重要!!
今まで多数発生していたミスも、これで防ぐことができるのでは…
ぜひお試しあれ!
いかがだったでしょうか?
どんな仕事にも作業手順があり、その手順をまとめた物が手順書となります。
誰が見ても理解ができ、その通りに作業すれば同じ結果が得られるというのが重要です。
昨今、RPA化やDXというキーワードをよく聞きますが、その大元となるのがこの手順書かも知れません。
人間はもちろんですが、人間よりも素直なコンピュータが理解できるような手順を作成できると良いですね。
maiko